インスペクションとは本来、「調査」「検査」「視察」「査察」等の意味をもつ英単語です。
既存住宅を売却・購入する際のインスペクションとは、「建物状況調査」、「住宅診断」とされており、建築士の資格をもつ専門の検査員が、第三者的な立場で、目視、動作確認、聞き取りなどにより「住宅の現状の検査を行うこと」をいいます。
実はインスペクションは、欧米では不動産売買の際には当たり前に行われているのですが、日本においても平成28年の宅建業法の一部改正によって注目度が高まり始めており、改正法が施行される平成30年4月以降は、中古住宅の売買において急速に広まってくるものと思われます。
また、国としても住宅市場について「古い建物はどんどん取り壊して新築住宅をどんどん建てる」という「フロー型」から、「しっかりメンテナンスをして長期的に使用する」という「ストック型」へ転換しようとしており、インスペクションに関する宅建業法の改正はその第一歩であり、インスペクションを普及することは国策であるとも言えます。